歯学センターの窓から

「大人の虫歯予防」歯学センターの窓から no.105

大人の虫歯予防
 歯学センターでは子供のみならず、大人の虫歯予防に多くの力を注いでいます。予防処置は専門知識を持った歯科衛生士の手伝いが必要で、処置に長い時間を要します。
 父が歯科として活躍する時代、治療は外科処置が中心でした。患者さんに虫歯があるのは当たり前。40歳代で歯は傷み、悪い歯はつぎつぎ抜かれ70歳、入れ歯で人生を終わる時代だったのです。
 虫歯は感染症なので、親から子へ。子供の口の中では、虫歯から健康な歯へと次々感染していきます。当院ではまず大人の予防に重点をおき虫歯や歯周病を防ぎ、ご自身の歯を長持ちさせるようにします。昔とは歯科医院のあり方を変えているのです。
 大人の虫歯菌が減ると、子供の歯に菌が感染しなくなります。そして子供も予防することで、虫歯が無くなるのです。そうした子供たちが大人になった時、その次の子供も・・・。こうして虫歯の連鎖は断ち切れます。この理想像は私の暮らしていた北欧で、実現しているのです。歯が健康であれば美味しいものが食べられ、家族中で医療費も軽減できます。きれいな歯でご家族全員の健康を。それが我々、今の歯学センターの願いなのです。

田北行宏