歯学センターの窓から

「再び北欧へ」歯学センターの窓から no.109

再び北欧へ
 スウェーデンへの留学から15年。その時導き、助けて下さった先生や看護士さんをこの夏、訪ねて来ました。15年前、日本人を初めて迎えた病院、外はマイナス30℃の真冬。私が乗り込んだアパートにはトイレットペーパーさえ有りませんでした。次の日から手の空いた看護士さん達に手伝って貰い、砂糖、塩、洗剤などを揃えて貰いながらのスタート。ドクター達からは顎を切り離して繋ぎ直す手術や、狭い骨の上に神業で立てるインプラントまで。毎日説明付きでオペを手伝わせて頂きました。
 その全員に会ってお礼を言おうと夏休みに日本を飛び立ちましたが、看護士さんの殆どが定年で退職。ドクター達はより大きな都市への病院へと転院。1日で全ての恩人に会おうという目論見は、失敗しました。ですが元の病院に残っていた看護士さんが皆と連絡を取ってくれ、全員にお礼と日本からのお土産を渡す旅へと計画を変更。朝昼晩と6日間、ほぼ休み無しのお礼の旅となりました。くたくたに疲れはしたものの、皆さんに感謝の気持ちを直接伝える事が出来ました。
 長いフライトと、毎日の運転で腰痛にもなりましたが、最後に「次にあなたがスウェーデンに来るときは、皆で集まって待ってるよ。」とドクターに言って頂き、少しほっとした事を付け加えておきます。

田北行宏