歯学センターの窓から

「フィンランドの選択」歯学センターの窓から no.91

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むし歯は感染症なのです。
感染源の70%は母親、残りは周りの大人達。
そして原因はミュータンス菌。
歯にくっついて歯を溶かす菌です。
ですからまだ歯が無い赤ちゃんの時、菌は口の中にいません。
ところが赤ちゃんに歯が生える8ヶ月位になると、この菌に感染してしまうのです。
感染経路はキスや食べ物、箸やスプーンの食器等。
ご両親の愛情を利用して、赤ちゃんの口の中に菌は移動します。
今から30年前、フィンランドでは子供のむし歯が大流行。
それに対応するため政府は歯科大学を増やし、大量の歯科医師を送り出し、むし歯の早期発見、早期治療を行いました。
それなのに、なんと子供のむし歯は更に増えてしまったのです。
むし歯を減らすには、早期治療より教育である。
フィンランドは治療ではなく、国民に子供のむし歯予防法を教える道を選びました。
その重要な要素の一つが、現在日本でも気軽に買える、むし歯菌を減らしてくれる甘味料「キシリトール」の普及でした。

田北行宏